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免疫系の寛容性 [メモ]


 メモ。

 ところが、免疫の世界では、単に異物を攻撃するだけではなく、一定の条件下において、自己の中に入ってきた非自己に対し寛容の態度を示すことがある。

 免疫が寛容に振る舞う条件とは、第一に生まれた時に抗原が入ったもの、第二に抗原が微量か、逆に大量の時、第三に抗原が口から入った時の三つだ。一般に抗原が人間の中に入って来た時、この抗原に対抗するために抗体が作られて反応すると考えられている。

 この「免疫における寛容」のメカニズムについては、現代医学でも、明確に解明されているわけではない。とにかく、人間の生命維持装置としての免疫反応が、寛容になって、異物に対して、攻撃をせずに受け入れるように振る舞うことだ。人間の無意識の下で、妙に人間的なやり取りが、生命現象として起こっている。

 生命としての人間の歴史は、さまざまな病気を引きおこす抗原(異物)との闘いの歴史だ。ある時には、中世のペスト(黒死病)や最近のエイズ(後天性免疫不全症候群)のように、人類を絶滅しかねないこともあった。その度に、人間が持つ免疫機能は、長い歳月をかけて、その異物と折り合いをつけるような寛容性を発揮し、異物と共存する道を選択してきた。

(http://www.st.rim.or.jp/~success/tadatomio03.html)








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幹細胞のあらまし [メモ]


 メモ。

 幹細胞は、自己複製をすると同時に、需要に応じて異なった造血細胞に変化していく。まず、免疫細胞系(リンパ系幹細胞)になるか、血液細胞(いかなる造血系細胞にも分化できる幹細胞、ここではマルチ幹細胞と呼ぶ)になるかの運命づけが行われる。マルチ幹細胞からは、血液中のあらゆる細胞、赤血球、血小板、顕粒球(白血球)、単球などが、何段階かの変化(分化)ののちに作り出される。それぞれの細胞が増殖するためにいろいろなインターロイキンが絡み合って働く。

 リンパ系幹細胞の一部は、胸腺に入っていき、そこに定着して急速に分裂増殖を始める。それからの過程については、第二章で詳しく述べたように大部分の細胞には死の宣告が下され、ごく一部の、たかだか3パーセントにも満たない細胞だけが胸腺の密室から逃れ出る。こうした作られたT細胞は、HLA分子の持つ穴の中に入り込んだ異物を認識することができる。こうした認識能力を持ったT細胞には、インターロイキンを作り出して免疫細胞を高めるヘルパーT細胞と、逆にそれを抑制するサプレッサーT細胞、異物で修飾された自己を攻撃して殺してしまうキラーT細胞などの役割分担が与えられていることもすでに述べた。

(『意味論』P100)







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