多義性と不確実性 [メモ]
メモ。
「非自己」を識別する「抗体」や「抗原レセプター」などの、認識の特異性を持った分子から想像された世界とは別に、多義性と不確実性に特徴づけられた免疫系。免疫学が金科玉条としてきた「特異性」を超えてしまったインターロイキンによる運営。これが1980年代に免疫学者に突きつけられた現実だった。伝染病の治療や予防という、目的にかなった免疫系とは、なんとかけ離れていたことだろうか。そして、なんと不気味に、さまざまな危険を内包している不明確なシステムだったことか。「自己」と「非自己」を識別し、「自己」を「非自己」から守る、などという原則は本当は存在しない。
(『意味論』P96-97)
免疫について
免疫について、基本的かつ古典的かつ文系向けの文献で勉強中。
実に面白い。
最終的には自己免疫の話に行き着けばいいかな、と思っていたんだが、それ以前の「インターロイキン」辺りで、すでに欲望とか享楽の対象になりつつある。
生命科学の楽しさというのは、物理学や数学の抽象的楽しさとはまた違った側面がある。