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メディア [メモ]


 メモ。

 皆さま方、決心はできておりますの、子供らを手にかけて、できるだけ早く、この地を立ち去ろうという――。ぐずぐずしていて、あれたちを、もっとひどい人たちの、手にかからせるようなことはなりません。あの子たち、どのみち命はないのです。そうというなら、生みの母の手にかかるのが、せめてもの幸せと言えましょう。さあ、心を鬼にして――。何をためらおうというの、恐ろしいことだとはいえ、やらねばならぬことではないか。さあ、かわいそうなこの手よ、剣をお取り、さあお取り、苦しい世の始まりへ突き進むのだ。女々しい心に、子供の可愛さを、生みの子供の可愛さを思ったりするではない。せめて短いこの一日だけ、お前の子供らのことは忘れておしまい。そのあとで泣いてやればいい。あれたちを手がけるにはしても、可愛さには、変わりはないのだもの――ああ、それにしても、何という不幸な女だろう、このわたくしは・・・・・・。

(メディア ちくま文庫 ギリシア悲劇 III P134)





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結婚間近の男 [メモ]


 メモ。

 結婚間近の男がいた。

 彼は、相手の女性の、片一方の足が短く、少しその足を引きずっているのが不満だった。

 結婚仲介をしてくれた会社の担当は言った。

「あなたは間違っています。健康で五体満足な女性と結婚したと考えてごらんなさい。どういうことになりますか。あなたは彼女が転びはしないか、足を折りはしないか、そして生涯足を引きずることになりはしないか、一日たりとも安心できません。そして精神的苦痛やら憤懣やら医者への支払いまで! ところが、彼女ならそんなことにはなりません。なにしろ、ことはもう済んでしまっているんですから」

(「機知」フロイト著作集4 P283 少し現代風へと改訳)






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