不定冠詞
余計なことだが、ミレールの名誉のために言っておくと、20世紀の最後あたりで、定冠詞は不定冠詞へと移動済みのはずだ。
女は存在しない
なになに、「女は存在しない」ですって。
そういえば「女は存在しない」と題した本があるらしい。
諸悪の根源はラカンです。
だからラカンが全部悪い。
終わり。
・・・としてもいいんだが、一応ラカンを読んでから結論を出すべきかもね。
というわけで『アンコール』(驚くべきことに日本語に翻訳されて書店で売られている)の性差の公式を見てみる。
以下はオレ(過去に、勢いで「素人ラカン派」を自称した、という恥ずかしい実績がある)の意訳ね、もちろん。
はい、では男の側。
「一人(例外)を除いて、男はみんな十把一絡げとして考えてみよう」
・・・なるほど、そういうことでしたか。
次に女の側。
「男と違って十把一絡げにできないので、一人ひとりチェックしよう」
・・・ほうほう、そういうことでしたか。
なぜこれが「女は存在しない」ということになるのかイマイチよくわからないが、たぶんきっとそれがラカンのスキャンダラスな戦略というヤツで。
要するに、「女という集合体すべてを表現する記号は存在しない」という意味ではないかと。
女性の定冠詞に斜線を入れた(