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相互的 [メモ]


 メモ。


 それでは、それでは、では愛は、愛はいつでも相互的なのか? 

 そうだとも、そうだとも。

(アンコール 訳P12)









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精神分析と相互受動性 [相互受動性]


 メモ。

 こうした相互受動的な対象への依存は、精神分析治療のダイナミックをも説明しないだろうか。ここで私たちが考えていることは、彼(女)の欲望、その象徴化の真実、そうしたことに直面することを回避するために、患者は彼[分析者]を誘惑し、彼と恋愛関係に入ることを試み、分析家の欲望の受動的対象として彼女自身を差し出す、などという月並みな事実などではない。むしろ相互受動性は、分析家がそこに平然とした様子で存在するという状況のもとで、この「分析者が私から必要としていること」のトラウマ、分析家の欲望の暗黒点とうまく折り合いをつけるために、[分析対象者としての]主体が、治療の間中、物語や記憶を語り、その宿命を哀れみ、非難するなど、絶え間なく能動(行為)的となるときにこそ、介在する。患者としての私が能動(行為)的なのは、私が分析者の謎めいた沈黙に飽き飽きしたり、苛立ったりするというようなことに原因があるのではなく、おそらくそれ以上の理由がある。すなわち、患者の私が能動(行為)的なのは、他者(分析家)を黙らせておくためで、またその結果、何事も起きないようにすること、分析家が絶え間なく泡立つように語られる私の見せかけの内容のなさを暴露する言葉やその他の振舞いを言い触らしたりあるいは行ったりしないようにすること、そういう目的をもっている。こうした事例によって相互受動性の基本的特徴とはどのようなものかが再び明らかになる。それは、他者が私に成り代わる、あるいは他者が私のために何かをする、という状況を指示しているのではなく、その正反対の状況、すなわち、私は他者の受動性によって、絶え間なく能動(行為)的で、そうすることで私の行動を維持するという状況を指示している。

(いまだ妖怪は徘徊している 訳P62-63)


 この観点は、政治的には「真の問題が明らかにならないように、アイデンティティなどの流動的な問題がずっと議論されている」というような話へと展開していくんだが、この引用した部分だけを切り取ると、実に興味深い。






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