SSブログ

分析家による、精神分析への抵抗 [メモ]


 メモ。

 ・・・およそ分析するということは、他者に対して、次のように言うことを意味する。私の解決を選びなさい、私の解決の方を好みなさい、私の解決を取りなさい、私の解決を愛しなさい、私の解決に抵抗しなければ、あなたは「真理」のうちにいることになるでしょう。自分の言ったとおぼしきことを深淵化しつつ付け加えておこう。この場面の回避不可能な真理に対し、場合によっては真理の名において異を唱えることは、否認においてしか可能でないと。この真理には、否認しか対置できない。だが、真理の名における否認は任意の否認ではない。だから、深淵が生じる--そしてそれこそが問題の一切だ。ああ、たぶん学者は、そしてとりわけ分析家は、私がいま述べたことをたぶん肯んじないだろう。

(抵抗 P26)






nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

ドミニク その4 [メモ]


 メモ。

 続く5、6回目の面接では、一次去勢の問題がより明確に現れている。とくにドルトが一番興味深かったという6回目の面接で、ドミニクは周囲の人間を素材に人間にとっての性の意味を問い、そのなかで曖昧な性を断念し、さらにファルスの意味を問うところまできている。もっともドルトはドミニクの話をすべて理解したわけではないが、自由に空想する権利を保証してやることで、精神療法に不信感を抱く父によって面接が終わらせることになる12回目までには、ドミニクは精神病的な退行から抜け出していた。もちろんドルトも述べているように、この面接によってドミニクの精神病が治癒したわけではない。しかし少なくとも、死の欲動に降伏しかかっていた欲望は、この面接のなかで再び息を吹き返した。

(春木 歓待 P158)






nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感