ラテラル(サイドバック)の役割 [サッカー]
バルサの戦術について少々。
今まではポゼッションの高さを生かして、両ウイングが中に寄って、その空いたスペースにラテラルが飛び込むというパターンだったが、それに加えて、ウイングが開いて、真ん中のスペース(5レーン理論のハーフスペース)にデ・ヨングが入っていくというパターンも増えていくだろう。
4-3-3のインテリオールならペナルティ内へ斜めに走り込んだりウイングとのポジションチェンジでサイドに流れたりという決め事があるはずだが、オランダ代表での成功体験があるため、クーマンはデ・ヨングの自由度を増し流動的にするはずだ。
4-2-3-1のピボーテの一人が流動的になるということは、相手にとって脅威になるが、味方の守備の観点からはリスクが増えるわけで、当然そのケアをブスケツやピャニッチがしなければならない。
またラテラルが、空いたデ・ヨングのスペースを埋めるということも増えてくるだろう。
そうすると、両ラテラルはウイングトップの位置まで飛ぶのか、ピボーテを埋めるのか、最終ラインを保つのか、という状況に応じた判断が求められる。
セメードは直線的な動きが得意でそのスピードは相手にとって脅威だが、それは単発的にすぎず、行った後のスペースが狙われるとどうしようもなく、言い換えると、彼の状況判断はそれほど適切ではないので、右ラテラルのファーストチョイスはセルジ・ロベルトになるのは当然だった(→という話がホントかどうかは別として、セメードの移籍が決定してしまった)。
スアレスの移籍 [サッカー]
スアレスがアトレティコ・マドリーヘ移籍した。
バルサから強靭な1トップ(デランテーロ)がいなくなったわけで、そこを補充するのかしないのかという議論がある。
直近のオランダ代表は基本ゼロトップだったので、クーマンはよほどの素材が来ない限り1トップにしないだろうが、バルサフロントは(例えばラウタロを)取りに行くかもしれない。
スロイデルは「1」と「0」のどちらの可能性も考えているはずだが、ボールが動くことを優先するならゼロトップのほうがいい。
つまり仮にラウタロが来たとしてもゼロトップになると思う。
現代サッカーは攻撃時に3バックになることが多く、かつ前線はかなり流動的になるので、「決まり事をたくさん持っていて、かつそれを実現するための練習量を誇るチーム」か「個人の技術とコンビネーションのフィーリングで何とかなってしまう天性のテクニカルなチーム」が勝ちやすくなる。
バルサは後者なんだが、今後は細かい決め事を実践しながら、相手に合わせてその決め事を変えていくことになるだろう。