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複数形の精神分析 [メモ]


 メモ。

 分析への抵抗の概念が、非偶有的ないし非偶然的な諸理由から統一されないということが事実だとすれば、その場合には、分析概念も、精神分析的な分析概念も、精神分析という概念そのものも同じ運命をたどることになるだろう。敵対においてのみ、それに抵抗するものに対する関係によってのみ規定されるものだから、精神分析が一つの概念ないしひとつの使命のうちに結集されることはけっしてないだろう。抵抗が単一でなければ、単数定冠詞付きの精神分析--ここではそれを、理論的規範のシステムとして、あるいは制度的実践の憲章として理解していただきたい--もない。

 事情がこのようなものだとしても、この状況は必ずしも挫折を意味しない。成功のチャンスもまたそこにあり、芝居じみた嘆き方をするには及ばない。

(抵抗 P44)






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分析による力の場への介入 [メモ]


 メモ。

 したがって、問題は、開示された真理をそれに抵抗するものに、単純に、まったく中立に置き換えることではなく、反対抵抗その他の対立的な諸力を能動的かつ精力的に用いつつある力の場に実効的に介入することによって、意識化へと導くことだ。抵抗は真理の単なる発見によって、症候の意味を患者に明かすことによって除去されるものではないとフロイトはつねに主張し続けた。それほどに、ある抵抗の分析とは、防衛の症候の起源や諸要素に関する理論的説明ではなく、分析的解消、抵抗をその力において分解しその場から立ち退かせる、実践的な、実効的な、情動性の分析だ。そのとき抵抗は、たんにその知解可能性において理解され伝達されるのではなく、変形され、移転され、変容される。

 だからこそ、意味と真理が問題だ。

(抵抗 P39)







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