苦しんでいる人 [メモ]
メモ。
ラカンはデリダのことを「彼と私の違いは彼が苦しんだ人と関わっていないということだね」と言ったことに対し、デリダは「何という誤解だろう。私は苦しんでいる人すべてに関わっているというのに」と憤慨したという。「苦しんでいる人」とは誰よりも若き日の自分自身のことだったろう。
(十川幸司「誰も彼のようには……」P181)
憤慨の様子は「ラカンの愛に叶わんとして」(訳P127)に詳しい。
分析とその抵抗に関する法 [メモ]
メモ。
私はここで話を打ち切り、やや断定的に結論を出さなくてはならない。まさしく切断について。そして、分析に関する決断の逆説について。われわれが接近したもの、超分析的必要、「終わりなく分析しなくてはならない」という法、そもそも「それ=エスは際限なく自ら(を)分析する」、したがってそれは誇張分解的に分析されなくてはならない、つねに分析すべく残るという法だ、と同時に、他方では、分析への抵抗より以上ないし以下のようなものを、一切の分析的テロス(原理の、単純な要素の、根源的なものないしアルケーのもつ原理的なもの)に分析へのもう一つの抵抗を付加するあの「すべく残る」の残抗を考察に取り入れるようわれわれに命ずるあのもうひとつの法だ。
(抵抗 P66)