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決定不可能性 [メモ]


 メモ。

 鍵となるのはデリダが決定不可能性と呼ぶものだ。この述語をもって彼は、未来の到来に対して必然的に開かれているさまを指し示している。未来の到来とは一切の決定的な保証や所与の意味を不確かなものにする間断なき転移だから、それは厳密に言って「決定不可能」だ。何が起こったことになるのかを、ひとは決して知ることができない。約束はつねに脅しに転じかねず、また友情は敵意に、忠誠は裏切りに・・・等々というふうになりかねない。

(無神論P78)




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正義と理念 [メモ]


 メモ。

 デリダは法を脱構築可能なものして記述しているが、他方、正義は脱構築の「脱構築不可能な」条件だと言われる。したがって法は条件付きのものに、正義は法を超えた無条件なものに結びつけられる。このことによって多くの読者は、デリダは絶対的な正義という「理念」を引き合いに出していると信じ込むことになった。しかしそのような読みは支持しえない。われわれが見ていくように、法を超えた無条件なものは絶対的正義の「理念」ではない--それはほかならぬ絶対的な正義の「理念」を切り崩す「時間の到来」だ。

(無神論P78)






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