スリー・ハーツ [私的名盤]
以前にボブ・ウェルチのソロアルバム『フレンチ・キス』を紹介したが、実はその次のアルバムの方が当時はよく聴いていた。しかしなかなかCDを買う機会に恵まれず、つい最近ようやく某所のディスク・ユニオンで手に入れた。
アルバム名は『スリー・ハーツ』で、やはり『フレンチ・キス』同様の素晴らしいアルバムだ。なぜこんなにカッコいいんだろう、と思う。アレンジはアイドル歌謡曲みたいだし、歌はヘタだし、音に重みがないし、とないない尽くしにもかかわらず、大好きだ。もしかするとオレはホモなのか。
まー単に昔よく聴いていて、懐かしいというだけなんだろう。それでも間違いなく今後も愛聴盤だ。ついでにマックの『神秘の扉』も聴きたくなるのはビョーキだな。
ボブ・ウェルチ『スリー・ハーツ』
ザッパの名盤は数あれど [私的名盤]
ザッパを語るのはイヤなんだ。だってマニアがいっぱいいるもの。しかもろくでもないのが沢山。ああもう少し語りやすい環境を作ってほしい・・・ってオレは新入社員か。
さて、フランクザッパの名盤を語ろうとするとき、完全にオレの好みだけで選べば『黙ってギターを弾いてくれ』になる。なんといってもヴィニー・カリウタとザッパのガチンコ・バトルが聴けるのだ。ペースが彼らについていけず、取り残されてしまったなんて裏話はどうでもよろしい。即興対即興。ポリリズム対ポリリズム。かつてこれほどまでに、リズムだけでザッパと戦うドラマーがいただろうか。モダンロックの変態対決、ここに極まれり。
このようにスリリングなアルバムは他になかなかない。70年代前半のキング・クリムゾンのライブに対抗できるアルバムはこれくらいなものか、と勝手に判断しました。はい。
ザッパ『シャラップ・ン・プレイ・ヤ・ギター』
トコロテンギターの傑作 [私的名盤]
アラン・ホールズワースで一番好きなアルバムは『シークレット』だ。なんといってもホールズワースとヴィニー・カリウタの相性が良い。なぜならばチャド・ワッカーマンがそう言っていたのだから。たしかに小節を超えたフレーズの怒涛の対決、オンパレードだ。オープニング・ナンバーの「シティーナイツ」は特に素晴らしく、オレのイメージ曲としたいくらいだ。オレのような田舎者は都会にあこがれるからね。
しかし名盤というのはまた別にあって、エディー・ヴァンヘイレンの肝煎りで、「何もしない」ということでお馴染みの名プロデューサー、テッド・テンプルマンがきれいな音を造ってしまい、意外な傑作になってしまったようだ。
で、この『ロードゲームス』は、ミニアルバムとしかいいようのない曲の少なさと短さでオレを苛立たせるんだが、しかし、あのホールズワースがこんな音を出してしまった、という意味ではプロデューサーとの異種格闘技戦による素晴らしい成果とも言えよう。
結局本人はこれを気に入らず・・・たぶん、ライブで再現できない重ね録りがイヤだったのだろう・・・、シンタックス(単純に言うとギター型シンセサイザー)路線に行ってしまい、ひたすらマイナーの道を歩んだわけだが、それはそれ。
来日ライヴを観たことがあるが、コードの捉え方は独特だし当たり前だけどメチャンコ上手くて、もちろんチャドのドラムも素晴らしいし、やっぱ頑固親父の職人気質の人生が醸し出す音もなかなか楽しめるものだ。
アラン・ホールズワース『ロードゲームス』
男はみんな [私的名盤]
結構ずっと好き [私的名盤]
パンクが出てきたころ、レゲエもついでのように流行り始め、どういう因果関係かさっぱり分からなかったんだけど、やっていることはどちらも一緒で「今までになかったものを簡単にやる」という感じ。
で、このマトゥンビ(matumbi)『セブン・シールズ』(1978)なんかは、音としても非常によくできていて、ずっとよく聴いている。特にペースの音が素晴らしいので、オーディオチェック用にしようと思ったこともあったが、よく考えると低音をブーストしたりしているはずなので、やめたりした暗い過去もある。オレの未来は明るいからいいけど。
オレが今持っているCDは日本盤。製造は東芝EMIだ。
彼らはこの後『ポイント・オブ・ビュー』(1979)というアルバムを出した。記憶で書くから誤っているかもしれないがA面がこの『セブン・シールズ』路線の硬派で、B面がいわゆる軟派な「ラバーズ系」という硬軟二段構え。今から思えばどちらもデニス・ボーヴェルの得意技だったんだけど、当時のオレにそんなことわかるはずもない。
ま、とにかくクールでカッコいいレゲエの稀有な例だったのだ。
あらら、アマゾンにはないか……
ついでに"point of view"も
極私的名盤 [私的名盤]
いやなんつーか、好きです。
この頼りないボーカルが素晴らしい。・・・・というのは半分冗談だけど、トータルバランスが秀逸。オレが考えるロックの理想形です。これくらいのセンスをもつミュージシャンは珍しいと思う。でも売れたのはこのアルバムと次の『スリー・ハーツ』くらいで、マックが売れたのは彼が脱退後だし、パリスも渋谷陽一だけが大絶賛だったし、本人的にも後から「勘違い」と振り返っているし、このアルバムにしても今やもう古いとしか思われないのだろうな。ストリングスが最強級。ソリッドなギターと調和した、厚みではなく軽い音質で勝負のストリングスって、なんなんだ。いやはやもったいない、もったいない。
ボブ・ウェルチ『フレンチ・キス』(1977)