チープトリックの1st [私的名盤]
ハードロックの見本 [私的名盤]
演奏はハードロックではないけど、結果としてハードロックの見本となっている。ギターは厚みではなくリズム感と切れ味で勝負・・・てな感じ。例えば「ニューオリンズ」という曲は、ギャングオブフォーの音を先取りしていた。また、キーボードのサウンドがチープで、これぞハードロック・・・なの・・・かな。
ハードロックとは、サウンドクリエイトで演奏テクニックではない・・・ということを証明したアルバム。
あまり売れなかったし、これからも売れないだろう。でもこれは名盤。渋谷陽一的名盤。そしておまけに極私的名盤。
パリス・セカンド~ビッグ・タウン2061(紙ジャケット仕様)
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: ユニバーサルミュージック
- 発売日: 2013/12/25
- メディア: CD
ヴィニー・カリウタ・・・おまけドリフェス [私的名盤]
私的名盤とは言いにくいが、94年に出たヴィニー・カリウタのソロアルバムを久しぶりに聴く。すげー。
スリップビートが満載でわけわかめ。これほどカウントの難しいドラマーも珍しい。
っつーか、それまでが単純過ぎだった。・・・ということにしておこう。
ドラマー以外には不要で無駄な才能だと思う。そういう意味ではフランク・ザッパはすごい。
いちおう、メモ。昨日テレ朝主催のドリームフェスティバル、二日目へ乱入。スガシカオ、superfly の雄姿を確認した。チャットモンチー(3代目!!)が、フォースの暗黒面を(無意識的だろうが)駆使できることを知ったのは、収穫だった。知らない間に日本のロックも新しい局面へと突入していた。
スペシャルズ [私的名盤]
スペシャルズの1stは流行った。79年ころか。
「モンキー・マン」などしばらくその良さが理解できなかったが、パンクと結びついて少しずつ楽しめるようになった。スカというかレゲエの音は能天気に聴こえるので、その政治的メッセージに気付きにくい。
次の『モア・スペシャルズ』のLPもよく聴いた。最近CDで買い直したが、改めて聴いてもなかなか楽しい。スカとパンクとダブが混然一体とした、独特の音造りになっている。
基本的に演奏はヘタだと思っていたが、ラフなだけかも。ただ、ポリスほどはうまくない。当たり前か、ポリスは元プログレだし。
暗黒アフリカの一枚 [私的名盤]
レゲエ系で暗黒も何もあったわけではないが、個人的に「アフリカ」を意識した最初の一枚は、congos の the heart of congos だ。70年代後半の出来事だった。
もっと正確に言うとその中の2曲目、congo man の12inch シングルmix で経験した。で、この曲がラジオで流れたりしたんだけど・・・良い時代だったな。一応言っておくと12inchシングルというのはLPと同じサイズのレコードで、回転数が45回転/分というヤツです。普通のLPは33回転/分です。
今になって聴くと、さほどアフリカという感じではないが、コンゴだし繰り返すし、まあアフリカっぽいかなというレベル。で、リー・ペリーなので「暗黒アフリカ」というイメージになっていく。
アルバム全体は気持ちの良い半覚醒の世界へと誘う作品だが、その中でアフリカが混じると、やはりメッセージが強いのだろうと推測してしまう。直接的に歌詞が分かれば聴かないかもしれない、という意味では、日本人で良かったと思う。
で、blood & fire 盤が名盤ということになっているけど、倒産したので、はてさてどのくらいの価格で売っているモノやら。最近 vp と組んで復活したらしいので、しばらくすると価格が落ち着くかも、です。
【オリジナル black swan 盤の12inchシングルmix】
鼻血の出る一枚 [私的名盤]
ボブ・マーリー&ウェイラーズの1976年NYアポロシアターのライブ。これはすごい。
実は彼ら、1976年にアポロでライブをやっていない。調べてみると、75年のロンドンのライブ、つまり名盤『Live!』の別テイク集(前日)という説があるけれど、よくわからない。とにかく76年にアポロではやっていない。
このシリーズ、日本ではオフィシャルのように発売されていたが、欧米ではブート扱いだろう。てゆーか、音は完全にブートレグ。
でもこれはすごい。
これ以外にCDは要らないんじゃないか、と思わせるだけのグルーヴがある。ボブ・マーリーってこんなにカッコよかったのかな・・・と反省する。もう少しクールなイメージがあったが、オレの認識違い。あまりに音が良すぎると、聴く側がクール方面に寄ってしまうのかも。だから音がラフな方がグルーヴ感が出るのか。
ボブ・マーリーの音楽はもちろんレゲエなんだけど、ややロック寄りの演奏だ。あるいは、ややポップス寄りの演奏だ。後年になればなるほどそういう傾向が強い。だからガチガチのレゲエファンからは、ちょっと違う・・・と思われていたこともあったようだ。しかし、そんなことはどうでもいい。レゲエとかロックとか分けるのがバカバカしくなる。
事実上ブートだし、今現在あまり手に入りにくいようなので、買えとは言わない。聴けとも言わない。ちなみに海外では悪評だらけのようだ。『live!』との音質差を考えれば、そういう評も理解できる。
でも、これはすごい。
ドラムとかベースを演奏している人は、このグルーヴを真似して自分のものにして欲しい。そういう意味での他のお薦めはEW&Fのライブかな。くだらない教則DVDを買うくらいなら、これらを薦めたい。
ボブ・マーリーの死とともにレゲエというジャンルは廃れてしまった。これを聴けばその意味がよくわかる。
隠れた名盤 [私的名盤]
隠れた名盤はたくさんあり過ぎて困る。「隠れた名盤」という言葉に隠されているものは「オレが好きだけど一般的にはそれほどでもないモノ」だから、当たり前だ。
昔よく聴いていて、今もよく聴くアーチストは、フリートウッドマックだ。リンジーやスティーヴィーが参加する前の数枚が大好きで、オレの音楽的原点になっている。ちなみに原点は100枚くらいあるけど。
クリスティン・マクビーのクールなポップセンスとボブ・ウェルチの捻じれたポップセンスが融合して奇跡的なロックサウンドが展開されていると思うんだが、世間はそう思っていないらしい。別に世間などどうでもいいけど。
この時期のマックのセールスポイントは、ただもう「センス」ということに尽きる。音の出し方、音の録り方、音の聴かせ方。大衆性と芸術性を同時に見据えた絶妙なバランスは、いまだにオレをトリコにする。こういうサウンドが70年代になにげなく登場しているから、ロックは侮れない。
THE WATTS 103RD STREET RHYTHM BAND [私的名盤]
ザ・ワッツ・103rd・ストリート・リズム・バンドは、ファンク好きなら当然抑えるべきバンドだ。EW&Fの全盛時をカッティング・ギターで支えたアル・マッケイがいるし、ジェームス・ギャドソンがいるし、リーダーはチャールズ・ライトだし。
なんつーか、JBとアースの中間くらいの音で、「これぞファンクの基本」という音になっている。オレは『イン・ザ・ジャングル・ベイブ』が好きだ。ドアーズのカバーがまたいい。1969に既に「ハートに火をつけて」をリメイクしているわけで、ドアーズは肌の色に関係なく浸透していたことがよくわかる。
気持ちの良いリズムというのは、こういう音のことだ。
20世紀の名盤 [私的名盤]
ロックス [私的名盤]
これは私的名盤中の名盤だ。おそらく生涯で一番よく聴いてきたし、これからもよく聴くであろうアルバムだ。
何がすごいってやはり、リズムがいい。ドラムとベースとギター二本がすべてロックンロールしている。その単純なリズムの絡み合いがロックの醍醐味だ。
ギターソロよりもリズムギターのセンスを重視するというのは、70年代ロックの基本なのかも知れない。そもそもソロを有難がるのはマニアの世界だ。
エアロスミスの、そしてジャック・ダグラスの最高傑作かもしれない。
と書きながら聴いているのはジョー・ペリーが脱退中の『美獣乱舞』だったりするから、オレはメンドクサイ人間だ。
プライマス [私的名盤]
アビイロード [私的名盤]
ウィングス [私的名盤]
ビート [私的名盤]
ときどき、キング・クリムゾンの『ビート』を聴く。
80年代クリムゾンはいろいろ言われているけど、オレがクリムゾンで一番聴いたのは70年代前半とこの時期の両方だ。80年代のポイントはブリューのパオパオギターだ。そして裏のポイントはトニー・レヴィンのスティックベースとブルフォードのシモンズSDXだ。必然的にチャカポコ路線になるんだが、このバンドは変態だから一筋縄ではいかない。複雑怪奇なチャカポコが展開されている。譜面にすると恐ろしいことになるはずだ。
ライブの映像ではミュンヘンのライブが有名だ。このバンドにはブルフォードのほかに坊主とハゲと栗坊主がいる。その絵面を思い浮かべながら聴くことができる。のちのダブル・トリオだと演奏と顔が一致しない。「ウェィティング・マン」では冒頭ブリューがシモンズを叩くんだよな、などとブツブツ言い始めるともう病気の世界だ。かつてのスキッツォイド・ワールドではなく、ニューロティックな世界。
キング・クリムゾンの『ビート』を聴くと、どきどきする。
キング・クリムゾン『ビート』
メロウ・ダブ [私的名盤]
ビム・シャーマンを初めて知ったのはニュー・エイジ・ステッパーズだった。なぜこんなに柔らかくクールなヴォイスの持ち主がエイドリアン・シャーウッドと一緒に仕事をしていたのか、オレには理解できなかった。それくらいのミスマッチだ。On-Uというイメージには程遠いにもかかわらず、その主要ヴォーカリストだった。
そもそも彼は生粋のジャマイカンだ。ますます理解しがたい。
でも、彼のヴォイスはオレの琴線に触れる。
彼は21世紀を目前にしてこの世を去ってしまった。しかし、彼は『ミラクル』(所有CDの発売元は徳間ジャパンコミュニケーションズ)、『アクロス・ザ・レッド・シー』(所有CDの発売元はBEAT RECORDS)などの名盤を残してくれた。オレにはそれで充分だ。レゲエの範疇から抜け出し、類稀なる才能と人脈を持ち、卓越したアルバムをいろんな名義で残しながら、自らの名義でも素晴らしいアルバムをいくつか残してくれた。
オレの嗜好から考えると、オレの「癒し」となりえる音楽は非常に少ない。そういう意味でビム・シャーマンには感謝している。ありがとう。
ビム・シャーマン『ミラクル』(1996)