トコロテンギターの傑作 [私的名盤]
アラン・ホールズワースで一番好きなアルバムは『シークレット』だ。なんといってもホールズワースとヴィニー・カリウタの相性が良い。なぜならばチャド・ワッカーマンがそう言っていたのだから。たしかに小節を超えたフレーズの怒涛の対決、オンパレードだ。オープニング・ナンバーの「シティーナイツ」は特に素晴らしく、オレのイメージ曲としたいくらいだ。オレのような田舎者は都会にあこがれるからね。
しかし名盤というのはまた別にあって、エディー・ヴァンヘイレンの肝煎りで、「何もしない」ということでお馴染みの名プロデューサー、テッド・テンプルマンがきれいな音を造ってしまい、意外な傑作になってしまったようだ。
で、この『ロードゲームス』は、ミニアルバムとしかいいようのない曲の少なさと短さでオレを苛立たせるんだが、しかし、あのホールズワースがこんな音を出してしまった、という意味ではプロデューサーとの異種格闘技戦による素晴らしい成果とも言えよう。
結局本人はこれを気に入らず・・・たぶん、ライブで再現できない重ね録りがイヤだったのだろう・・・、シンタックス(単純に言うとギター型シンセサイザー)路線に行ってしまい、ひたすらマイナーの道を歩んだわけだが、それはそれ。
来日ライヴを観たことがあるが、コードの捉え方は独特だし当たり前だけどメチャンコ上手くて、もちろんチャドのドラムも素晴らしいし、やっぱ頑固親父の職人気質の人生が醸し出す音もなかなか楽しめるものだ。
アラン・ホールズワース『ロードゲームス』
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