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神々の本性


 正直、神々の本性などどうでもいいし、気にしたことなどないんだが、この本が重要なのは、キリスト教以前の、人間世界とは別の世界を、人間がどう捉えていたのかという格好のサンプルになっていることだ。

 そして、それが実は精神分析の思考と嗜好に役立つんだが、とりあえず置いておこう。

 さらに言うと、これは「語りえぬことを語る」弁論術の技術集として捉えることもできる。

 あるいはまた、紀元前当時のギリシア・ローマ神話の索引的な意味もある。

 もっと言っておくと、エピクロス派とストア派と新アカデメイア派の思想的傾向の違いを知ることもできる。

 結局、神学的な見地からするとストア派が一番まともだということになるんだろうけど、それを鵜呑みにするのは良くないよという新アカデメイア派の意見も理解できるし、もしかすると、エピクロス派の発想は一番現代に近いのかもしれない、という考え方もできるだろう。

 というわけで、キケローはなかなかの人物だということがわかった。

 オレの中では、イチローにはかなわないがスシローよりも上だな。




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