ヴィンテージ
ヴィンテージに価値があるのは、古きをたずねて新しきを知る、ということにある。
もちろん新しい葡萄酒を古い革袋に入れてもムダなんだが、古いからすべてがダメというわけではない。
ヘーゲルやカントがオモシロいのは、彼らがオモシロいからに決まっているんだが、そのオモシロさは、ある程度現代流に読み替える必要はあるかもしれない。
精神分析は、古色蒼然とした斜陽の学問ということさえわかっていれば、普通の感覚で読むのとはまた別だろう。
だいたい、いまだにフロイトの書いた症例が議論されていること自体、普通ではない。
とはいえ、フロイトのテキストは、慣れてしまえば抜群にオモシロイ。