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ハーバーマスについて書くことの享楽 その3 [メモ]


 メモ。

 彼らが自然主義を還元するところの実り豊かな仮定は、現代の言説が科学的世界像へとコミットしている以上不可避に思われるものだ。しかし、真の自然主義者だということは、不可避のフィクションを受け入れることではなく、むしろ唯物論を信条とすることだ。つまり、次のように主張するだけでは不十分だ。カントとヘーゲルは我々に対して規範性の領野について何がしかのことを教えてくれるに違いないのであって、しかもこの規範性は自然の領野というより広い領野において生じている、と主張するだけでは不十分だ。反対に、むしろ大切なのは、最大限ドイツ観念論を再びわがものとして用いることだ。言説、表象、心、あるいは思考一般が、概念を扱う生き物としての存在者の現実存在とは独立してあらかじめ与えられていると思われている実体的実在に一貫して対立しえないならば、我々は観念論の置かれた苦境に毅然と立ち向かわなければならない。自らのうちで折り重ねられた実在性を説明しうる、世界ないし現実的なものについての概念が我々には必要だ。
(神話・狂気・哄笑 緒論)





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