自己崩壊を内包するシステム [メモ]
メモ。
単純な自己言及式のコンピューターが、途方もない間違いを犯して株価を暴落させたりするように、超システムもまた恐るべき脆さを持っている。システム内のひとつの構成メンバーに一定以上の障害、あるいは欠落を生じたとき、超システムは不連続的に破滅(カタストロフィー)に陥る。
その典型的な例が、エイズと老化だ。次章で述べるように、エイズはCD4を持つヘルパーT細胞に、老化ではCD8を持つサプレッサーおよびキラーT細胞にかなり選択的な障害を与える。それが単にシステム内の一メンバーの障害に止まらず、超システムの成立の条件に関わるところから、エイズも老化も、自己のアイデンティティを危うくする。超システムという概念は、自己の崩壊を内包している。
(『意味論』P108)
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