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認識論 その3


 ゲティア問題というのがある。

 古典的な定義によると、知識となるには「正当化された真なる信念だ」と言われなければならないが、それは3つの要素で出来ている。

(a)その命題が信じられている
(b)その命題が真だ
(c)その命題を信じる人が信じるに足る理由を持つ

 そこでゲティア問題はこれ。

1.スミスとジョーンズは、ある会社の採用面接にきた。
2.スミスは、「ジョーンズが採用され、かつ、硬貨が10枚ジョーンズのポケットに入っている」という事実を確認した。
3.スミスは、この事実から「採用されるのは、硬貨が10枚ポケットに入っている者だ」との命題を信じている。
4.スミスは知らないことだが、実際に採用されるのはスミスであり、かつ、スミスのポケットにも10枚の硬貨が入っていた。

 つまり古典的な定義(a)(b)(c)を満たしているにもかかわらず、真なる知識を持っているとは言えないような事例を、ゲティアという人が論文で発表したわけだ。

 そして、この影響力は大きかった。




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