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世界の定義の悪意による単純化


 では次に、ガブリエルの世界の定義について考えてみよう。

 彼は世界の成り立ちを、アキレスと亀のパラドックスと同様な形式の、無限作業によって定義づけている。

 一見、そうとは見えないように巧妙なやり方で。

 だから彼のロジックでは世界そのものを表すものが、論理的に確定されない。

 この矛盾を避けるには、世界の定義をもっと曖昧にすればいい。

 いや、世界の定義などどうでもいいのだ。

 なぜならば世界はオレたちの目の前にある、所与、前提条件だから・・・と言い切ればいい。


 これもまたガブリエルの意義ある思考を、悪意ある単純化によって貶める方法(可能性)の一つを紹介しただけで、ガブリエルが正しいとか間違っているとかを主張することを目的としていない。





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