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主と奴の弁証法 その4 [メモ]


 メモ。

 しかし、形成行為は、それによって奉仕する意識の純粋な独立存在が存在世界に形成される[召使の人格が対象化される]という肯定的な意味を持っているだけではない。それは、その意識の第一契機として恐怖に対する否定的な意味をも持っている。すなわちものを形成することによってそれを形成する意識が自己の否定性、つまり自分が自覚的独立存在だということを対象のなかに確認するのは、ただその意識が目の前にある形式を止揚することによってだが、この対象の側にある否定的なもの[否定されるべき形式]は、かつてその意識[召使]がその前で震えたところの他なる実在[主人の化身]だ。そこで今やその意識[召使]はこの他なる否定態を破壊し、自己をそのようなものとして存続するものの世界[対象的世界]のなかへと定立し、よってもつて自分が自覚的独立存在だということを自覚するにいたる。

(未知谷第二版牧野訳P348)





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