二種類の理性のアンチノミー [メモ]
メモ。
1.カント自身、はっきりと表明はしていないが、次のような場合、すでに二つのアンチノミーに性の問題を含んでしまっている。それは、第一の(数学的)アンチノミーを生み出す現象全体のあり方が、怪物的な純然たる集合体の「女性的な」原理に結びつけられ、そして、第二の(力学的)アンチノミーが、道徳の「法」を受け持つ男性的な原理に結びつけられてしまう場合だ。
2.「崇高」を経験するさい、苦痛が快楽へと移行することも、やはり暗黙のうちに性の問題をもり込んでしまっている。この以降が起こるのは、無秩序の集合体としての現象は恐怖を生み、その恐怖のもとには道徳の「法」があるとわれわれが気づくようになるときだ--それは、女性的な怪物性から男性的な「法」へと「魔術的な」意向が起こることと関係がある。
(厄介 上 訳P71)
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