症例ドラ
症例ドラは『饗宴』の前提のひとつとなっている。
ドラはK夫人の中に、「女性とは何か」の答えを見出そうとし、その答えの構造のキーマンがK氏だと想定していた。
しかし、K氏は「自分が何を持っていないかを知っている」と発言したために、彼がドラにとって何の役にも立たないことを彼女は理解した。
K氏は(あるいは、本来的に言えばドラの父親は)、ドラに対して、持っていないものを象徴的に与えるという作業が必要だったが、それがなされなかったことがドラの不幸だった。
そしてドラはフロイトも同様に「役に立たない」ことを、彼自身に知らしめる行動を取った。
・・・症例ドラにはもうひとつ別の観点、つまり贈与の観点からの考察をしないいけないんだが、ここでは省略する。
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