両価的
価値は両価的だ。
すべてのものについての価値が両価的かどうかは知らないが、オレの興味のあるものはすべて両価的だ。
したがって、よく言われる「真」「善」「美」のいずれも、オレとは縁遠いとして突き放すか、あるいは両価的なものとして分化して捉えることになる。
「真」「善」「美」は、カントの三批判書にそのまま反映されていて、それを思考するための礎として参考になる。
だからこそドイツ観念論の系譜としてヘーゲルの弁証法に有効性がある。
とくに『精神現象学』はどこを読んでも難解だが、実にオモシロイ。
ヘーゲルの欠点は、その両価的なものが止揚によって統一されると考えていたことだが、その矛盾をそのまま抱えて統一化されているというのが長所だったりするので、彼の評価はなかなか難しい。
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