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パラノイア [メモ]


 メモ。

 パラノイアの激烈な病相期には、このような世界破局が他の病歴においても稀ならず見出せる。リビード備給に関するわれわれの理解に立脚するとき、他の人間たちが「束の間に組み立てられた男たち」と見なされている事情を考慮するならば、このような破局が起こる理由の解明は困難ではない。患者は、それまで彼の周囲の人間たち及び外的世界全体に向けられていたリビード備給を撤収した。それと同時に、彼にとって、いっさいは均しく無意味かつ無関係の存在となり、二次的な合理化によって「奇跡によって生じた、束の間に組み立てられた」と説明されなければならなかった。世界没落とはこの内的破局の投射にほかならない。彼が彼の主観的世界から彼の愛情を撤収してしまったがゆえに、彼の世界は没落した。

(シュレーバー症例 全集P173-4)






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