フロイトを更生させる
十川幸司は、ラカンから離れフロイトそのものを継承しようとして、たくさん失敗している。
それは実に、倫理的な姿勢として、つまり「モノ」のレベルにまでフロイトの精神分析を高めようという姿勢として、敬意の対象となりえる。
オレはその姿勢に倣い、ひとつの乗り越えの儀式とみなし、フロイトそのものを更生させていくべきだと考えている。
時代背景もあり、フロイトは多くのものを、分析し損ねてきた。
それはラカンも同様だ。
時代というのは残酷なもので、フロイトやラカンのような偉大な知性でも、取り残されてしまう。
だからといって彼らの分析を全否定するのも大人げない。
オレたちは長年にわたって「すべてではない」と付き合い続けているので、心底理解している。
したがって、進むべき道はそれほど多くない。
2020-08-04 06:00
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