ジジェクの小話のさらにその先 [メモ]
メモ。「亡命の理由」の小話続き。
「理由は二つです。一つ目の理由は、ロシアでは共産主義が永遠に続き、この地では現実に変わるものは何もないことは分かっているのです、そう思うだけで耐えきれなくて……」。「しかし」と官僚は口を挟む。「そんなことはナンセンスじゃないか。共産主義はあちらこちらで崩壊している最中だから。共産主義の諸悪の責任を負うべき者は厳しく罰せられるだろう」。ラビノヴィッチは落ち着いて答える。「実はそれが二つ目の理由なんです」。
(『為すことを知らざればなり』 邦訳P2)
このような、小話のふたつの異なる展開を考える中で、自己言及的な円環構造こそが、ドイツ観念論のキモなのか、違うのか、よく考える必要がありそうだ。
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