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世界の闇夜 [メモ]


 メモ。

 ヘーゲル『イエナ実在哲学』(草稿)より。

人間とはこのような闇、存在しない空っぽなもので、その単純なつくりの中には、あらゆるものが含まれている--それは、数多くの表象やイメージで表される終わりのない富だったりするが、どれ一つとして人間には属さないもの--あるいは現前しないものだ。このような闇とは自然の内部のもので、魔術幻燈によって映し出された表象のようなものの中に--純粋な自己として--存在する。そして、その闇は自己をすっかり取り囲んでおり、そこから血まみれの頸が勢いよく飛び出す--すると、別の青白い亡霊のような幻影が突然その頸の前に現れ、やがて消えてしまう。こんな闇夜を垣間見るのは、瞳に映る人間を見つめ--しだいに恐ろしさをおびてくる闇となるときだ。

(厄介 上 訳P53)






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