鼻血の出る一枚 [私的名盤]
ボブ・マーリー&ウェイラーズの1976年NYアポロシアターのライブ。これはすごい。
実は彼ら、1976年にアポロでライブをやっていない。調べてみると、75年のロンドンのライブ、つまり名盤『Live!』の別テイク集(前日)という説があるけれど、よくわからない。とにかく76年にアポロではやっていない。
このシリーズ、日本ではオフィシャルのように発売されていたが、欧米ではブート扱いだろう。てゆーか、音は完全にブートレグ。
でもこれはすごい。
これ以外にCDは要らないんじゃないか、と思わせるだけのグルーヴがある。ボブ・マーリーってこんなにカッコよかったのかな・・・と反省する。もう少しクールなイメージがあったが、オレの認識違い。あまりに音が良すぎると、聴く側がクール方面に寄ってしまうのかも。だから音がラフな方がグルーヴ感が出るのか。
ボブ・マーリーの音楽はもちろんレゲエなんだけど、ややロック寄りの演奏だ。あるいは、ややポップス寄りの演奏だ。後年になればなるほどそういう傾向が強い。だからガチガチのレゲエファンからは、ちょっと違う・・・と思われていたこともあったようだ。しかし、そんなことはどうでもいい。レゲエとかロックとか分けるのがバカバカしくなる。
事実上ブートだし、今現在あまり手に入りにくいようなので、買えとは言わない。聴けとも言わない。ちなみに海外では悪評だらけのようだ。『live!』との音質差を考えれば、そういう評も理解できる。
でも、これはすごい。
ドラムとかベースを演奏している人は、このグルーヴを真似して自分のものにして欲しい。そういう意味での他のお薦めはEW&Fのライブかな。くだらない教則DVDを買うくらいなら、これらを薦めたい。
ボブ・マーリーの死とともにレゲエというジャンルは廃れてしまった。これを聴けばその意味がよくわかる。
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