文化への不満

　「文化への不満」とは、いったい何への不満か。

　快感原則にしたがって文化や文明は形成されている。

　しかし、シニフィアンの本領はそのような、構造主義的な発想の内部にはない。

　シニフィアンは身体を切り刻み、オレたちの思考をギクシャクさせる。

　それがときには神経症として発現したり、あるいは倒錯となる場合もある。

　確かに、快感原則の方向性とは反するものだ。

　そしてその反するものは、まさに「文化への不満」と言ってよいだろう。