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ハイデガーに欠けていたもの


 それはつまり、大文字の他者。

 ヘーゲルの客観的他者。(厄介 上 訳P33)

 言い換えると、松本卓也風に言えば、(上述が欠けていたため)「隠れた神」へのアプローチでショートカットをしてしまうこと。

 ただ散逸を続けながら表層的に生きる近代社会の中で(マジか?)、昔懐かしい保守的運動を、実に「本質的」だと捉えてしまうのは、そういう理由からだ。

 これが、ハイデガーに起こったことだろう。





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