ビート [私的名盤]
ときどき、キング・クリムゾンの『ビート』を聴く。
80年代クリムゾンはいろいろ言われているけど、オレがクリムゾンで一番聴いたのは70年代前半とこの時期の両方だ。80年代のポイントはブリューのパオパオギターだ。そして裏のポイントはトニー・レヴィンのスティックベースとブルフォードのシモンズSDXだ。必然的にチャカポコ路線になるんだが、このバンドは変態だから一筋縄ではいかない。複雑怪奇なチャカポコが展開されている。譜面にすると恐ろしいことになるはずだ。
ライブの映像ではミュンヘンのライブが有名だ。このバンドにはブルフォードのほかに坊主とハゲと栗坊主がいる。その絵面を思い浮かべながら聴くことができる。のちのダブル・トリオだと演奏と顔が一致しない。「ウェィティング・マン」では冒頭ブリューがシモンズを叩くんだよな、などとブツブツ言い始めるともう病気の世界だ。かつてのスキッツォイド・ワールドではなく、ニューロティックな世界。
キング・クリムゾンの『ビート』を聴くと、どきどきする。
キング・クリムゾン『ビート』
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