メロウ・ダブ [私的名盤]
ビム・シャーマンを初めて知ったのはニュー・エイジ・ステッパーズだった。なぜこんなに柔らかくクールなヴォイスの持ち主がエイドリアン・シャーウッドと一緒に仕事をしていたのか、オレには理解できなかった。それくらいのミスマッチだ。On-Uというイメージには程遠いにもかかわらず、その主要ヴォーカリストだった。
そもそも彼は生粋のジャマイカンだ。ますます理解しがたい。
でも、彼のヴォイスはオレの琴線に触れる。
彼は21世紀を目前にしてこの世を去ってしまった。しかし、彼は『ミラクル』(所有CDの発売元は徳間ジャパンコミュニケーションズ)、『アクロス・ザ・レッド・シー』(所有CDの発売元はBEAT RECORDS)などの名盤を残してくれた。オレにはそれで充分だ。レゲエの範疇から抜け出し、類稀なる才能と人脈を持ち、卓越したアルバムをいろんな名義で残しながら、自らの名義でも素晴らしいアルバムをいくつか残してくれた。
オレの嗜好から考えると、オレの「癒し」となりえる音楽は非常に少ない。そういう意味でビム・シャーマンには感謝している。ありがとう。
ビム・シャーマン『ミラクル』(1996)
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