前田アンドレ
そういえば前田アンドレの試合について船木がしゃべっていたのを聴いた。
曰く「前田さんのベストバウト」。
あるいは「前田さんは試合中孤独だったんだなあ、と感じました」という船木節。
船木の発言の中で一番重要なのは、当時マッチメイクをしていたのは、坂口、藤波、ミスター高橋の3人だったということと、現場監督を星野勘太郎がやっていた、ということだ。
もう一つ、放送されなかったがテレビ中継用の試合として、一つの目玉だったということも重要だ。
試合中、「どうしたらいいのか」と憤る前田に対して、星野は知らん顔をしていたらしいし、マッチメイク側が表に出てこなかったということを考えれば、あり得る話は一つしかない。
アンドレ自身が「it's not my business」と言ったにもかかわらず、あとになってから「あれはオレが勝手に仕掛けた」と言ったことからも、それは導き出される。
もちろん、ワカマツは何も知らない。
真偽はともかく、つまらない試合なので、真相は藪の中、という結論で問題なし。
概念枠 その6
というわけで、野矢茂樹の『語りえぬものを語る』は極めて難解な書物だ。
見た目の読みやすさで、理解したと思うと、罠に落ちる。
難解だからこそ、慎重に、注意深く、いろいろと他で確認しながら、じっくりと読み進めなければ理解できない。
つーか、そもそも野矢が乗り越えようとしているデイヴィドソンの考え方が難しいのも、その要因か。
たとえばこの章では、クワイン、デイヴィドソン、野矢の三者の思想的差異を、うまく切り分けながら読み進めていかなければならない。