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概念枠 その5


 そのようなデイヴィドソンの結論を踏まえて、野矢茂樹は、相貌論へ移行する。

 相貌論へ行き着く前にデイヴィドソンの「概念枠による分節化、組織化」の「組織化」について触れているが、ここでは詳細に触れず、簡単に書いておこう。

 要するにデイヴィドソンは「組織化」というのは共通の概念枠に支えられているので、「翻訳不可能な言語」という発想はおかしい、という話をしていて、それに対し部分的に反論する形で、野矢は相貌論をもってきている。





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概念枠 その4


 ところで、「二つの言語が相互に翻訳不可能」とはどういうことか。

 ナンセンスではないのか。 

 ある言語と思われるものが、言語か否かを判定するには、翻訳可能なものかそうではないのかによって決まる、とデイヴィドソンは考えている。

 つまり翻訳可能なものが言語として認められる、というわけだ。

 なので、「翻訳不可能な言語」というのは矛盾だ。

 だから、「概念枠」は、(翻訳可能な)すべての言語で共通なものなので、「異なる概念枠」など存在しないのだから、敢えて「概念枠」という言葉を使う必要はない、とデイヴィドソンは結論する。





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