言語はなぜ その6
オマケ。
この本を読むのに、個人的に役に立ったのは、野矢茂樹の『哲学・航海日誌』だ。
あまり関係ないようで、少なくともデイヴィドソンについての独自の見解は大いに参考になった。
このイアン・ハッキングの本は、計略的ともいうべきその内容的不足のおかげで、『哲学・航海日誌』のように読むべき本をたくさん引き寄せる。
時間も金もないので・・・一番問題なのは知的持久力がないことなんだが・・・オレは、大いに困ってしまう。
言語はなぜ その5
オレたちは、とくに20世紀の分析哲学者は、過去の思想を振り返ったときに言語と概念を取り違ってしまう。
かつて「概念」だったものを、まるで「言語」のように扱っている。
しかし、それだと、ヘーゲルがなぜ『精神現象学』というアホな本を書いたのか、理解できなくなってしまう。
その無関係の関係性をオレたちに示してくれたのがこの本だ。
つまり、概念を考えることと言語を考えることはまったく別だ。
まったく別だ・・・つまり無関係は・・・一つの関係だ。
ということが分かるというのが、哲学史としてどれだけすごいことなのか、オレにはわからない。
しかし、オレにとっては非常に得難い読書体験だった。