ヘーゲル復権 その1
岩波の雑誌『思想』2019年の1月号は「ヘーゲル復権」と題されていて、笑う。
そうすると、食いつく爺がいるはず、という意図が見え隠れする。
松本卓也と父の名
先日某所で松本卓也氏の講義を受ける。
松本氏の講義は、これで二回目だ。
前回は90分で一般向けのラカン入門という無理難題を見事クリアしていたので、つぎは何だろうと興味深く申し込んだ。
今回のテーマはラカンの精神病論で、これを理解すればラカンを偉そうに語ることができる・・・ための一歩となるだろう。
今回のキモは、神経症と精神病の違いをチャート式で説明していたことか。
ラカンは精神病と神経症の間の境界例という考え方を認めず、心の病は必ずどちらかに属するものだと考えていた。
で、その違いをどう説明するかがラカンを紹介する際の腕の見せ所となるはずなんだがさすがにわかりやすくて、オレのような歪んだ感性の素人ラカン派の心にも届いた。
あと、オイディプスの系譜、ライオス、オイディプス、アンティゴネーという3人に降りかかる悲劇が、まさに父の名の系譜になっているという説明にも、少し驚く。
こういう象徴的な説明をさりげなく混ぜ込んでいかないと、ラカンの説明不足的文章を理解できない、という、ラカン読解の対策にもなっているからだ。
また『とんかつDJアゲ太郎』もラカン理解のための偉大なテキストということも判明し、素人ラカン派としてのオレはますます混沌と混迷と混乱に陥った・・・いや冗談です。
というわけで、『創造と狂気の歴史――プラトンからドゥルーズまで』は買うつもりだ。