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白痴的断絶


 『アンコール』の7章と8章のあいだに断絶がある。

 いやそうではなく、つまり作者がそのように書いているのではなく、読者側、解釈者側がそう読み取った方が、理論の変遷を理解しやすい、ということだ。

 しかしながらそれは「白痴」について、ということになっているのだから、訳が分からない。

 性差の公式の左側の享楽は、白痴の享楽だよね、という話から、いやいやその白痴は、実は二つの意味に分かれましてですね、という話へと発展し、つまり「げっ、男ってのもそうなんですか、へえ、マジですか」とまで言い出すような話になってしまう。

 オレたちはいったい何をやっているのか。

 白痴だから、気にしなくていいのか。






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