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文化への不満 その1 [メモ]


 メモ。

 文化社会に生きる人間の性生活がはなはだしい損害を受けていることはやはり事実で、われわれの性生活はときとして、肉体的器官としてのわれわれの歯や頭髪がそう見えるのと同じく、退化しつつある機能の一種のような印象を与える。性生活はそれが幸福感の源泉としてもつ意味--すなわち、われわれの人生目的を実現する上での意味--をかなり失ってしまったと考えておそらく間違いない。ときによるとわれわれは、われわれが性生活において百パーセント満足することをさまたげ、われわれをもっと別の可能性へと駆りたてるのは、文化の側の圧力ばかりではなくて、われわれの性的機能自体がもともと百パーセント満足できるようには作られていない、と思ってしまう。この考え方は間違っているかもしれないが、この件について決定的な回答を与えることはなかなかかむつかしい。

(「文化への不満」浜川訳、著作集3 P464)





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