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マルクス・ガブリエルとかそういうヤツ [無意味的会話術]


監「メイヤスーを『懐疑論と素朴実在論の組み合わせ』と一刀両断したS君、こんにちは」
S「しつこいねえ。まだそれを言うか」
監「いやいや、最近ますますSの説が正しいと確信しているわけで」
S「あら、それはありがとう」
監「単純な図式で言うと、カント以前は『素朴実在論か、形而上学か』の選択だったと」
S「単純化し過ぎだよ」
監「まあまあ。で、カントからポストモダンまでが相関主義だと」
S「『構築主義』とも言うけどね」
監「で、ポストモダンの先が、M・ガブルエルによると、新実在論だと」
S「その図式で考えるなら、メイヤスーは素朴実在論へと戻って相関主義を否定した」
監「だよね」
S「で、ガブリエルの立場はポストモダン以降の本当の潮流を作った・・・という構図かな」
監「そうそう。そして、その構図にも、実は疑問の余地がある」
S「そうだな」
監「ガブリエルって基本は後期シェリングなんだろ」
S「その通り」
監「だから、キルケゴールの実存的なものに至るのは自然な流れだよね」
S「それが新実在論に至る動機というかきっかけだというわけね」
監「枠組みを拝借したというか」
S「ある意味パクった」
監「で、メイヤスーの思弁的実在論は、結局観念論的だと」
S「ああ、ガブリエルの主張では、メイヤスーはヘーゲル的ってことね」
監「そうそう。で、自分の説は後期シェリング的だと言いたいわけだろ」
S「だから実在論と言っても、色々立場の違いがあって、一括りにできないよな」
監「ガブリエルの評価は『ドイツ哲学の逆襲』みたいなノリもあるみたいだし」
S「ゲルマン魂は死なず・・・か」
監「サッカーのワールドカップになると突然民族主義が高揚するみたいな」
S「確かに、今のヘーゲル研究の主流はアメリカだから」
監「ただガブリエルの新実在論って本当に実在論なのか、という疑問は残る」
S「言葉は変だけど言いたいことは分かる」
監「だって、観察する人がいないと存在を認めないという立場だろ」
S「確かに相関主義というか構築主義と、どう違うのか、その違いが明解ではない」
監「さすがSはよくわかってるね」
S「メイヤスーが素朴実在論に戻ったというなら」
監「うんうん」
S「ガブリエルはポストモダンの枠の中にある」
監「がーん・・・マジかよ」
S「いや極論だけどさ」
監「極論とはいえ」
S「別の言い方をすると、素朴実在論も構築主義も含めたものが新実在論ってことかな」
監「ああ、そういう見方の方が分かりやすい」
S「結局ガブリエルは自然科学的な見方は数ある『意味領域』のひとつに過ぎない、って立場だし」
監「それだと、ポストモダン的な相対主義的な発想との差別化ができない」
S「まー、そういうことでもいいか(相対主義とは少し違うけど)」
監「だから、ガブリエルの実在論って結局何だろう、って思う」
S「ポストモダンの枠の中にあるというのはそれほど変でもないだろ」
監「なんとなくね」
S「で、メイヤスーの話の時に、監督が科学的実在論じゃダメなのかなーって言ってたじゃん」
監「言った。でも、なんとなくメイヤスーの言いたいこともわかるけど」
S「言いたいことって」
監「カントの認識論的限界を認めるのだったら、すべてが理由律に縛られる必要はないと」
S「そうだな。でもこの場合は理由律というより因果論がいいのかな」
監「だから科学的実在論と言いにくい側面もある」
S「ああなるほど。でも科学って漸近的に真理に近づくもので、常に全部が解明されてはいない」
監「ああそうか。いや、・・・そうなのかなあ。うーん、もう少し考えないと」
S「まあいいや。悩んでくれ」
監「うむ」
S「で、科学的ってことに関してはガブリエルにも言えるわけ」
監「どういうこと」
S「自然科学的発想の優位性みたいのが一般的な常識としてあるけど」
監「ああ、優位性か」
S「そう、ガブルエルの発想だと他のオカルト説と立場が一緒で優位性がないわけ」
監「じゃーガブルエルはダメってことじゃん」
S「て言うより、これからの問題でしょ」
監「ええと、まだまだガブリエルとかメイヤスーの議論は煮詰まっていないから中途半端だと」
S「そういうこと」
監「ではこれからの彼らの議論に期待するということで」
S「両者とも、特に科学的実在論との関わりとか優位性をどう考えるべきか」
監「なるほどね。そして今回はオチはないと」
S「残念ながら。こんな話にオチは要らないだろ」
監「うーむ、困ったもんだ」






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