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4五角戦法その8 (3)基本図△4五角に▲3五飛 [4五角戦法]


 (3)基本図△4五角に▲3五飛

21手目3五飛.jpg

 これもまた専門家がたくさんいるようなので、軽く流して誤魔化したい。

 主要変化は次の3つ。
(3-1)▲3五飛△6七角成▲7七角△同馬
(3-2)▲3五飛△6七角成▲7七角△7八馬
(3-3)▲3五飛△6七角成▲7七角△8八飛成

 順番に見ていこう。


(3-1)▲3五飛△6七角成▲7七角△同馬

 まずは飯島本の成果(P141)。

基本図(△4五角)から21手目▲3五飛△6七角成▲7七角△同馬▲同桂△3三桂。

26手目3三桂.jpg

 この26手目~△3三桂は何でもない手で、相手に手を渡すという高等手段。この手が紹介されただけでも飯島本を買う価値はあるだろう。

以下27手目~▲8七銀△8二飛▲8六歩では△8八歩▲同金△7九角でも、あるいは△2七歩▲3九銀△2八角でも後手十分との飯島本の見解。

 是空さんは29手目~▲8六歩に代わりに▲6八玉はどうかと提案している。つまり、26手目~△3三桂▲8七銀△8二飛には、▲6八玉△2七歩▲3九銀△2八角▲同銀△同歩成▲8三歩△同飛▲8四歩△同飛▲6六角 で先手悪くない・・・互角か。

 また飯島本(P142)によると27手目~▲8七銀ではなく▲7五角は、以下△8二飛▲5三角成△8九角▲6八玉△7八角成▲同玉△6八金▲同玉△8八飛成▲7八金△9九竜▲5九金△4四銀で後手大優勢とのこと。

 しかし、是空さんの意見によると△8九角に対する▲6八玉では▲7九銀とし、以下△7八角成▲同銀△8八飛成▲9六角と指すべきとしている。

 また27手目~▲7五角△8二飛▲8三歩△同飛▲8四歩△8二飛▲5三角成という指し方もあり、先手がよいだろうとのこと。

 なので後手としては飛車の取り合いを目指して、
27手目~▲7五角△4四角▲8六角△3五角▲8二歩△5七角成▲8一歩成という手順を紹介している。これは互角か。


 さて△3三桂が紹介される以前の手順では、基本図(△4五角)から21手目▲3五飛△6七角成△7七角△同馬▲同桂の次は、△2三角や△8九角だった。いずれも東大将棋ブックスの手順。

26手目~△2三角▲8七銀△8四飛▲8六歩△8五歩▲同桂△5四飛▲6六角△8四歩▲6八金△8五歩▲1一角成△8六歩▲同銀 で後手指しにくい。

26手目~△8九角▲8七銀△8四飛▲8六歩 で後手不利。


(3-2)▲3五飛△6七角成▲7七角△7八馬

 次は21手目~▲3五飛△6七角成▲7七角△7八馬について。

24手目7八馬.jpg

飯島本(P134)では24手目~△7八馬▲8六角△8八馬▲5三角成△4二金打▲6三馬△7二銀打▲9六馬△9九馬▲6四歩△6二歩▲2四歩で先手よしとしている。

35手目2四歩.jpg

 知恵袋でも指摘があったようで、是空さんは続きを研究している。

35手目~▲2四歩の続き、△8九馬▲8二歩△5六歩▲5六同歩△7九馬▲5五飛△5二香▲8五飛△5七馬▲5八金△5六馬▲5七歩△7四馬▲2五飛△3三桂で、この飛車取りをどうするかという局面。

50手目3三桂.jpg

▲1五飛には△1四歩、▲9五飛には△9四歩、
▲3五飛には△9六馬▲同歩△4四角でいずれも後手好調か。

 元々29手目▲6三馬では▲6二歩が東大将棋ブックスの手順となっている。

29手目6二歩.jpg

29手目~▲6二歩△同金▲同馬△同玉▲8五飛△7九馬▲8一飛成△9二角▲5四桂△5三玉▲9一竜△4七角成▲5八金打まで「後手攻めきれない」が東大将棋ブックスの見解。

 しかし、そこで△3八銀と指したら先手はどうするのか、というのが是空さんの研究。

42手目3八銀.jpg

 なので、是空さんの意見では、39手目~▲9一竜ではまだしも▲7一竜とする。同様に△4七角成▲5八金打△3八銀となったとき▲5六銀を用意しているので。

 また是空さんは、34手目~△7九馬に代えて△9九馬という手も紹介。以下▲8一飛成に△5六歩や△5四香でどうか。

 ちなみに△6二同金ではなく、△6二同銀や△5三金も当然ある。東大将棋ブックスより。

30手目~△6二同銀▲同馬△同玉▲8二飛△7二銀▲8八飛成△4四角▲8五飛△8八角成▲同飛で、後手指しにくい。

30手目~△5三金▲6一歩成△同玉▲8五飛△7九馬▲8一飛成で後手不利。


(3-3)▲3五飛△6七角成▲7七角△8八飛成

 最後は、21手目~▲3五飛△6七角成▲7七角△8八飛成について。

 この手順は飯島本では紹介されていない。東大将棋ブックスでは本筋となっていた。確かにこの形の定跡は変更されているようだが、詳しい事情はよくわからない。

 とりあえず是空さんの研究でみてみよう。

24手目8八飛成.jpg
 
24手目~△8八飛成▲同金△6六銀▲8六角△3三桂▲6八歩△4五馬にて一局の将棋。

 ▲6八歩では▲5八金も考えられるが、△7六馬で一局。

28手目~△3三桂では△5七銀成が過去の定跡だった。

28手目~△5七銀成▲5八歩△8五歩▲同飛△7六馬▲8一飛成△8六馬▲7七歩で先手良し。

35手7七歩.jpg

 この最後の▲7七歩が東大将棋ブックスに載っていない「秘策」で、だから定跡が変わったのかもしれない。東大将棋ブックスでは△8六馬に▲同竜として△6八角で竜を抜かれて先手敗勢とのことだった。


 以上で▲3五飛を終わる。一時は4五角に対する有力対策と見なされていたが、いずれも後手は互角以上(多少贔屓目)になりそう。






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