4五角戦法その5 (1-3)▲3六香に△6六銀 [4五角戦法]
(1-3)▲3六香に△6六銀
これは一時期、本線と見られていた手順なので、寄ってたかって皆で研究したらしく、変化が多い。
というか、あまり触れたくない。
まずは東大将棋ブックス(P18~)では以下の通り。
32手目~△6六銀▲3三香成△6七角成▲同金△同銀成▲6八歩△7九飛▲4八玉△5七成銀▲同玉△4九飛成▲3二成香△同銀▲5四歩△5九龍▲5八桂△5六香という展開だが、後手不利らしい。
以下は▲4六玉△4四金▲5五金△3五金打▲5六玉△5八竜▲5七香△5五金▲同馬△4五金打▲同馬△同金▲同玉△4七竜▲4六銀△2三角▲3五玉△5四金▲5三金が一例で先手勝勢。
35手目▲6八歩では▲6九飛という手があり、それでこの△6六銀は先手優勢ではないか、というのが是空さんのご意見。おそらく、まずネット上で発見(「カステラの手」byエトワールさん)され、研究熱心なプロの若手の間でも話題になり、その影響で村田本(村田顕弘『現代横歩取りのすべて』P20)にも「有力」と載ったものと推測されます。
以下△5七成銀なら▲5八歩でも▲3二成香でも先手が指しやすいと思う。
▲6九飛で先手良しなら、以下の変化は考えなくてもいいはず。できれば考えたくない。てゆーか、オレは△6六銀は指さない。
とはいえ一応見ておこう。
上記、東大将棋ブックス手順の最後、46手目~△5六香では△4五金という手がネットでは知られていて、それで難解だから後手もまだ望みがある、という話になっていた。△4五金は是非各自で確認していただきたい。
相当難しい終盤戦になります。以下▲5五金が有力か。オレにはまったくわかりませんが。
飯島本(P180)では上記手順▲5四歩の代わりに43手目▲8三角が載っている。
43手目~▲8三角△5九竜▲5八歩△5四香▲5五桂△4五金▲4六金で先手やや良しの見解。
但し、是空さんによると、47手目~▲5五桂に△7二銀▲5六角成△4四金で結構うるさいのではないか、とのこと。
諸々含めて修正すれば、43手目~▲8三角△7二銀▲5六角成or▲5二歩で、先手良いだろうが、後手も指せないわけではなさそう。
で、是空さんは▲8三角ではなく▲5二歩という手を紹介している。
43手目~▲5二歩△6二玉▲5一銀△同金▲同歩成△5九竜▲5八歩△5四香▲5五金△同香▲同馬△5一玉▲8三角△4八銀▲6七玉△5七金▲7七玉△6八竜▲8七玉△8六歩▲同玉△8五歩▲同玉△8四歩▲同玉△9四金▲同角成△同歩▲3三馬以下同銀でも4二金でも詰む。こうなれば先手勝ちとのことです。
上記▲5二歩以降はいろいろ変化等ありそうだが、「35手目~▲6九飛にて先手良し」を信じて、省略します。
あとは30手目~△6六銀に▲5八金も有力。これも手順のみ示しておきます。まずは東大将棋ブックスの手順から。
31手目~▲5八金△3八飛▲4八飛△同飛成▲同玉△6七銀成▲同金左△同角成▲同金△8八飛▲6八飛△8九飛成▲6九歩△4一桂▲6六角△7八金▲3三香成△6八金▲同金△2六飛▲3二成香△2八飛成▲3八金△5九銀▲同玉△3八竜▲4九銀△2九竜▲3八銀打△1九竜▲2九金△同竜▲4一成香△同玉▲2九銀△6四香▲2三桂 で、形勢不明。
飯島本(P181)では上記36手目△6七銀成のところ△6九飛を紹介。
36手目~△6九飛▲3九飛△6七銀成▲6九飛△5八成銀▲同玉△7八角成▲6三飛成△6二銀▲6六竜△3八金▲3九銀打△6七歩▲3八銀△6八馬▲4八玉△5八金▲3九玉△5七馬▲同竜△同金▲3三香成で先手よしとのこと。
30手目~△6六銀に▲5八金は、なんとなく先手良しの雰囲気だ。たぶん愛好家による△6六銀への研究意欲が減ってしまったのが原因と推測。
総括。△6六銀は後手番の立場からは指しにくい。出ないと思うが、新手が出るのを待ちたい。特に35手目~▲6九飛の対策がないと、それ以降の変化の研究がすべてムダになるからやる気にならない。
仮に新手が出て復活すると、省略された膨大な変化がよみがえるかも。それはそれで恐ろしい。
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