4五角戦法その3 (1-1)△3六同角から△5四香 [4五角戦法]
(1-1)△3六同角から△5四香
この形にはあまり興味がないので、定跡の本線のみ。
32手目~△5四香に▲8五飛にて先手良し。
以下東大将棋ブックス(P101-102)では△2五飛▲同飛△同歩▲8五飛△2六歩▲8一飛成△4五桂▲6八玉△5七桂成▲7七玉△6九飛▲5二歩△4一玉▲6五桂△6四銀▲8三角で先手有利となっている。
変化は多いが、昔さんざんやったような気がするし、個人的に今更感は強い。そういえば山田道美著作集でもこの△5四香に触れていた記憶がある。以下▲6八玉△4五桂▲5六歩△同香▲5八歩だったかな。ただし、今では▲5六歩には△5七飛が紹介されている。詳細は東大将棋ブックス(P106)参照。ちなみに▲6八玉には△5七香成が成立して後手がよい。・・・つまり今では▲6八玉は悪手という評価になっている。恐ろしい。
この▲8五飛がいかにも定跡という好手。無条件で△4五桂と跳ねさせず、しかも8筋には攻防に効いている、という意味。先手はこれだけ知っておけばよいので楽だ。そして、▲8五飛以外にも先手が互角以上に戦える手が複数ありそうだ。ここでは省略するが、興味のある方は東大将棋ブックス等参照願います。
なお、32手目~△5四香ではなく、△5五香もあるが、東大将棋ブックスによると▲6六角△8六飛▲8八歩△7六飛▲6八玉△6六飛▲同歩△4四角▲1二馬で先手よし。
32手目~△5五香に、△5四香の時と同じと▲8五飛と打つのは後手のワナ。△2五飛と打ち返されて、次の△5七香不成など飛車素抜き狙いが受けにくい。
この形を、後手で指す人は少ないと思う。少なくともオレは自信がまったくない。ただしオレの言うことはあまり信頼できません。悪しからず。
(2016年8/14追記)
そういえばこんな手もあったよなあ、というのを思い出したので、上図の▲8五飛以降の手をここに載せておこう。東大将棋ブックス(P102)より。
▲8五飛△2五飛▲同飛△同歩▲8五飛△2六歩▲8一飛成△2七歩成▲同銀△4五桂▲6九桂
以下△2八飛▲3八銀△5七桂成▲同桂△同香成▲5八歩△4八銀▲同金△同成香▲同玉△2七金 まで難解(となっているが▲3九銀で先手良し)。
(※△2七歩成と△4五桂の手順はどちらが先でもありそう)
ちなみに飯島本(P193)では△4八銀で△2六桂と打ち、▲1五角△5二玉▲2六角△同飛成▲5七歩と落ち着かせて先手良しとなっている。
▲6九桂では▲6八玉もあるか。以下は『横歩取りは生きている』P94より。
▲6八玉△5七桂成▲7七玉△6九飛▲5九金△6七成桂▲同金△5九香成▲5四歩まで先手良し。途中の▲5九金がいかにもひねり出された手でオモシロいので紹介してみました。
ただし、定跡では△6九飛に▲5二歩と打ち、△同玉と取れば▲5五歩△4九龍▲5四歩と取って当たりがきつくなり先手有利。
▲5二歩に△4一玉なら▲6五桂△6四銀▲8三角で先手良し。
いずれにせよ先後ともに(特に後手は裏技をいくつか持っていたほうがいい)相当研究しないと指せない手順だ。
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