全体主義その2 [全体主義]
全体主義は、その文字のイメージとは違いすべてを包括する思想ではない。なにかを排除することによって初めて成立する、閉じた空間の思想形式だ。
たとえば、全体主義として考えられるのは、よくイメージされがちなナチス政権でもいいが、現時点で典型的なのが「民主主義」だ。それを文字化すると「すべての個人は民主主義という思想に従属するべき」となる。
したがって「世界の民主主義」とは(あるいは「ある国の民主主義」でも同じことだが)、部分的な権威主義によって、それに依存した形で成立する。ただし、それを例外的な外部として持つのか、内包する強い権威主義的な権力機関として持つのかは、その地域や時代の特性による。
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